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Sさん(女性、縫製職人/Sawing operator)



R:今日はよろしくお願いします。

Sさんの経歴をおねがいします。


S:大手アパレル会社で働いて、管理職を経験したあと、縫製士として独立。

そのあと、縫製の仕事を個人でうけおってるうちにOEMなどまかされるようになって、オーガニック系の飲食や、雑貨、ヨガとかそういうのを組み合わせて地域のイベントなどのオーガナイザーも京都、大阪、兵庫などでまかされてやったりしてるね。


R:へえ、そうなんですね。大手アパレル会社から独立したのはなんで?


S:うちのアパレル会社はかなり大手だったんだけど、会社の社員を集めてのイベントで、社長たちが、宗教の教祖のように話したりするのよね。スピーチのあとに社長がなぜか景品がはいった玉をなげたりするんだけど、それを狂信的な社員さんたちが、キャーキャー言ってとろうとするの。結婚式で花嫁がなげる花束みたいにね。ここはしんどいなあ、と思って、子供も大きくなったし、もういいかなとおもって独立したのよ。自分の人生、自分でなにかやりたいって性格なんで。誰かを軽蔑するのもおかしいけどね、誰かを尊敬しすぎるのも良くないよね。


R:そうなんですね。縫製職人で具体的にはどんなことしてるの?自分の服のブランドとか?


S:基本は超めんどくさがりやなの。だから、すぐ断れるように、ああ、仕事頼まれなくてもいいや、って何でも意見をずばずばいうの。意見を。そしたら、以外と信頼されて、最初、知り合いのために服を縫製してたら、これをつくってくれ、あれをつくってくれ、ってどんどん言われるようになって、めんどくさいなあ、と思いながら受けてたら、その服をつくってあげた女社長からOEM(ブランドなどの大量の洋服の縫製を受注すること)してくれないか、って言われたり、2020年なんておしゃれマスクを1000個つくってくれとか、縫製の案件がたくさん入ってきて、知り合いのデザイナーが自分がデザインしたキャラクターの作品の生地の部分をおねがいできないか、といわれて、動物のキャラクターがはいった洋服や布製品をたくさん作ったりしているうちに、そういうのを出展しているイベント自体のオーガナイズをまかされるようになって。今どきの子ってさ、個人個人のアイディアはあるんだけど、全体をずばずば意見を言ってまとめていくような強いお母さん的存在?って少ないじゃない?で、なんか知らないけど、仕事がどんどん増えてきた。今もアップアップ。


R:ご家族は何されてるんですか?


S:親族は建築系や、デザイナーが多い。祖母が縫製の仕事をしていて、よく小さい私に縫製を教えてくれたの。だから、今も派手なブランドとかで身を固めるとかそういうことには興味がなくて、単純に「布をぬっていること」が好きなの。祖母がよく私が若いときすごく派手なかっこをしていると、「派手な服や一時的な流行の服を着なくていい。あなたは中身をみがいて中身が素敵なら、洋服は自然な素材で、自然なデザインでいい。」って良くおこられた。おこられるときは、くやしいんだけど、大人になったら、おばあちゃんがいってたように、今私が生きているのが素敵ね。


R:ポリシーはあります?


S:気に入らない相手とは組まない。いやな仕事は引き受けない。めんどくさいときは、めんどくさいから仕方ない。ストレートに意見をいう。ただし仕事をうけたらきちんと仕事する。

ストレートな方が、結局運がめぐってきてるからね。(笑)

 アパレル業界も今の状況からどんどん変わっていくだろうと思う。大手が生地を発注するときも、あまりの布がでたりして、アパレルの材料も無駄になっている部分がたくさんある。マーケティングを入れて、大量生産すると、どうしてもしわがあるんだけど素敵な生地とか、自然素材で色や素材がユニークで扱いにくくて、たくさん売れる見込みはないんだけど楽しい服とかが世の中に出回らなくなっていく。そういう布をぬって、遊びたい。(笑)


R:そうなんですね。今日はありがとうございました。またよろしくおねがいします。







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