トニーさん,石垣島/Tony,ishigaki island
写真左トニーさん
#石垣島,TONYさん。
トニーさんは、86歳で沖縄の石垣島の市街地で、栄福食堂という創業95年続く食堂をお姉さんと二人でやっている。ヤギそばや、トニーそば(八重山そば)を作っている。ミミガー、ピパーチという島コショウも売っている。そして、なぜか、赤木圭一郎(愛称トニー)という俳優さんの写真が大量にはってある。世界中の国旗とトニーさんは無宗教なのに、インドの神様を神棚に飾ってある。謎のロシア人が店にきて、これ飾れ!と持ってきて、まあいいか、ということで飾っているらしい。
トニーさんは、若い頃、10代の頃から20年以上、南洋マグロ漁船に乗って、世界の海を股にかけ、アフリカ・南欧・南米など世界中の国々を渡り歩いてきた経歴を持っている。
トニーさんは、思い立ったらなんでも行動してみる、と決めているらしく、世界各地の港で遊びまくったらしい。女を泣かせたとか泣かせてないとか。赤木圭一郎の出世作に「霧笛が俺を呼んでいる」(1960)という映画があって、そこで彼は世界を股にかける船員を演じている。当時船員であったトニーさんは、そこに自分の姿を投影し、それ以来、赤木圭一郎(愛称トニー)のファンなのである。そして、トニーそばなのだ。しかし1961年に赤木圭一郎は21歳の時撮影所でのゴーカートの事故で急死してしまう。本物のトニーはこの世界からいなくなり、栄福食堂のトニーさんのことをみんないつしかトニーさん、トニーさんと呼ぶようになった。
マグロ船に乗って、世界中をまわっていたトニーさんは、小学校1年生の頃、戦争で台湾に疎開させられたらしい。
トニーさんは、椎名誠さんの本の中にもトニーさんのことが書いてあって、その荒削りで楽しいテキトーさを椎名誠さんは、
面白がっていた。
トニーさんは、沖縄や、日本を守る自衛隊やアメリカの基地に感謝の念を抱いているらしい。現実的に今の世界情勢を見ると、沖縄に基地や軍隊がいることで平和につながるなら、それも仕方ない、とのこと。
トニーさんの店は、いろんな有名人も来たらしい。世界各国のガイドブックにも乗っていて、それを見て世界中からお客さんが来るとのこと。理由はわからないが、超テキトーな人で、話すと元気をくれる人だ。話していると急に自分の店のテーブルの机に乗ったりしていた。トニーさんは、それぞれ出会った人の口コミを大事にしている。一人一人、人生での出会いを大事にし、丁寧にコミニケーションすることを心がけている、のかもしれないし、ただしゃべるのが好きなだけかもしれない。
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